深刻な看護師不足の現状
看護師不足の現状は深刻です。
看護師不足の原因の一つとして挙げられるのが、高齢者の人口増加によって、病院を利用する患者が右肩上がりで増加していることです。患者の増加に対して、看護師になりたいと希望する人数が少なく、人手不足が引き起こされています。
看護師を志望する人が少ないだけではありません。看護師の離職率が高いことも、看護師不足の原因となっています。
何故、看護師は離職率が高いのでしょうか。
それは、人手不足によって仕事が激務であることが一番の原因です。人手不足がさらなる人手不足を起こすという悪循環が生じてしまっているのが現状です。
仕事が忙しいので有給を取得することができず、疲労が溜まって肉体的に限界がきて退職する人が大勢います。夜勤があるだけでなく超過勤務をせざるをえない状況であり、肉体的にも精神的にも負担が多い割には給料があまりよくありません。
忙しさのせいで人間関係がぎくしゃくしてしまい、職場の雰囲気がよくないという意見も多いです。さらに育児休暇があるものの、人手が足りていないことが原因でなかなか取りづらいのが現状です。
このように労働環境があまりよくないことから、さらに離職を希望している人が増えています。
100病床あたりの看護師の数を見てみましょう。
イギリスは100病床に対しておよそ200人の看護師がいます。アメリカでは約140人、ドイツは約75人いるのに対し、日本はたったの34人しかいません。
この数字から見てわかるように、日本の看護師不足はかなり深刻です。